ア●ンジャーズかプリキ●アか、それともセー●ームーンか―いけいけ、チーム・クリケット!―
オーサーの体調だけが心配。どうも、ささきです。
いやーさすがにこれは予想外だわ。前回のブログで「四年間は一区切り」といった通り、ある程度のことは想定していた。基本的に、コーチ変更について。
でもさすがにこれはねえ! いやだってこんなに一極集中するとは(笑)
そう、チーム・クリケットである。民間人も利用できる高級クラブ「虎の穴」。メディアのシャットアウト加減がまさに「高級クラブ」だなあって感じの、あのクリケットだ。
はじめに申し添えておくが、わたしは彼らの移籍について、とくに異論はない。びっくりはしたが納得はしている、といった具合だ。なのでその理由を述べていこうと思う。
さて。
現時点でクリケットに移籍を表明した、シニア世界ランク高位選手は
〇エフゲニア・メドベデワ(露)
〇ボーヤン・ジン(中)
〇ジェイソン・ブラウン(米)
の計三名。ほかにもジュニアとかでちらほら移籍があるんだけど、今日はこの三人を中心にいこう。
- ロシアが生んだ美少女戦士! 北京の舞台を仰ぎ見る絶対女王、ジェーニャ・メド
ワールド・GPF・五輪すべてでメダルを持つ彼女。目標は「五輪で金メダルを取ること」。はっきりしていてすばらしい。
彼女の移籍に関しては前コーチ、エテリ・トゥトゥベリゼの印象がどうしても強い。移籍にいたる精神的理由なんてわかりようもないのだけれど、けがもあった五輪シーズン、思うところもあったのだろうな、と思う。まあわかりようもないのでこのへんにとどめておく。
エテリのもとには20をこえた女子選手がいない。これから先出てくる可能性もあるが、あそこはもう次から次へと世界女王候補がうまれる場所だ。なので「これから先、四年」を見据えると、違う場所で長期戦略を練るというのは正当な道であるように思われる。
そして彼女にとって大きいのはクリケットのプライベートスペースの確保能力。ほぼステルス能力だ。
おそらく、彼女への批判はロシア国内でまだ続いているだろう。良し悪しというわけではなく、ロシアというのはそういう国だ。
なので、彼女がさまざまなことに惑わされることなく、フィギュアスケートに打ち込める環境として。わたしはクリケットに太鼓判を押す。
問題はロシアとカナダの国際関係ぐらいだろう。ビザがとれなくなったりしたら一大事だ。ま、もうこれは世界平和を願うしかないな。
・スパイダー美容ボーイ! 元祖クワドマスター、ボーヤン・ジン!
ボーヤンについては、ハビエル・フェルナンデスという前例があるので。もう安心して頑張ってくれといったところだ。もう一番びっくりしたのは「中国が海外に選手を!」ということで、ボーヤンのクリケットINに関しては特に不満もない。
スケーティング能力の向上とPCS、GOEの向上。上半身の動きの強化。移籍メンバーの中では最もやるべきことが見えている。正直すんごい楽しみだよね!
少し心配なのが語学力。たしかボーヤンは英語があまり得意ではないので……。中国チームもついていくそうなのでそのあたりは安心だが、オーサーやほかのコーチと直でセッションするに越したことはない。ま、でもボーヤンコミュ強っぽいし大丈夫かもしれないね。
- 天使の国から来たやわらかエンジェル! さらなる高みを目指す、ジェイソン・ブラウン!
正直いちばん驚いたかもしんない。ちょっとまとまっていないので話せることは少ないのだけど、おそらく昨年の五輪落選もきっかけではあるのだろうなあと思っている。
柔軟性に優れた、とくべつなスケーティングをもつ選手だ。昨シーズンはジャンプがうまくはまらなかったのと、ピークの持っていき方がうまくいかなかったのかな。先々シーズンがよいシーズンであっただけに。
彼も中堅~ベテランにさしかかる年齢だ。体力、技術、ともにサポートが必要になっていく。彼がどのようにクリケットを利用していくのか。本当に楽しみだ。
はい。このようにして個々の選手にフィーチャーしてみましたけれども。
まあもうこれね、あとははじまってみないとわかんないから。座して待つ。
なので最後に、「なぜこんなにクリケットに選手があつまったのか」について、個人的考えを述べておく。
まずはハビエル・フェルナンデスの成功。これは前々からのことで、羽生氏も彼のクワドを考慮に入れて移籍を決めたことは有名だけれど、もうこれは本当に大きい。だって彼ははじめ、自分が世界王者になる人間だなんて思っていなかったのだ!
そのような選手が大成し、五輪メダルを獲得して! 栄光の舞台を去ろうとしている。長期的な戦略と成功。それはクリケットの栄光でもある。
世界選手権での、二度のワンツーフィニッシュ。平昌五輪での、男子シングルダブル表彰台。ひいては羽生・フェルナンデス両氏の統制を成功させたこと。
「有名選手が集まった」理由はここが大きいと思う。つまり、ハビゆづが関係を壊すことなく、最後まで競い続けたことだ。
クリケットがこのように選手を受け入れたのもここが大きいと思う。大きな大会、またそこに至るまで。だれがどのように、どうやってどの選手をサポートするのか。クリケットにはおそらく、ある程度のメソッドが出来上がっている。五輪で各国のパスをそれぞれのコーチに割り当てて、チームそのもので挑むことができたように。だからこれだけ選手が集まっても、そこまで心配はしていない。
ピーキング能力の高さ。と、ルール適応力については言わずもがなだと思うが。これはそもそもの利点なので詳しくはのべない。ま、五輪もいつもながらにすごかったよね。特に男子シングル。
これだけでなく、シングル女子選手の長期的な活躍、ナショナルレベルでの戦いがチーム内でないこと(国際大会に出られるか否か、で競い合うことがない)など利点はさまざまにある。
繰り返すが、クリケットは真の意味で「世界の一位二位が同チームに一定期間存在し続け、崩壊しなかった」チームだ。これを支えるのは、個々の選手に対するこのチームの個々に対するフレキシブルさだと思う。どうかそれが彼らに合いますように、うまくいきますように、と願っている。
シーズン開幕は目の前にせまり、新たなルールが選手たちを待ち受ける。たくさんの困難が予想できるが、どうかすべての選手たちが自分の望むように滑ることができますように。
新たなチームに加わる選手、そして今までのチームから去る選手、そして同じ場所で研鑽を積む選手。すべての選手の栄光と幸福を祈って!
あとあれね、もうなんかあったらクリケで迎え撃ってもらおうね。
おわり